自分の視点から見えているものを切り取って常にオリジナルで伝えていきたい!大切なのは「自分本意で生きること!」
現在大学を休学し、LEGITという日本のモノづくりを自らの視点で伝えるプロジェクトに挑戦している湯浅くん。2020年の初めに挑戦したクラウドファンディングでは、200人以上の方に支援をされ手作りの下駄を多くの人に届けました。そして、今回は藍染の羽織りをリリース。そんな湯浅くんがモノづくりに込める想いとは?さまざまなことに挑戦する湯浅くんが思い描く未来像とは?ワカモノラボPRライターのMina Nagashimaが取材しました。
働くとは自分の視点で切り取ったものの編集作業
───自分のプロジェクトをつくりモノを人に届けている湯浅くんにとって働くってどういうことでしょうか?
湯浅遼太(以下、湯浅):ぼくにとって働くとは、編集作業だと考えています。ぼくたちユーザーにモノが届くときって、企画やデザイン、ディレクションをする人たちの視点からその人たちの解釈でカタチがつくられていると思います。同じものを見たり、聞いたり、食べたりしても人それぞれ感じることや見え方ってちがうと思うんですよね。なので、作り手のぼくがいま見ている世界をぼくの視点で切り取っておもしろく編集し、みんなに伝え、楽しんでもらえたらうれしいと考えています。
───どうしてそのように主体的に考えられるようになったのですか?
湯浅:きっかけは先輩から「湯浅は人の人生を生きている」と言われたことでした。ぼくは割と大学1年のときから活動的に動いていたのですが、そのように言われ、ショックだったことから今の自分に満足していないことに気がつきました。
また、成人式で幼稚園のときのぼくから手紙が届いて、「社長になれているか?」って書いてあったんですよ。今、自分が考える社長像って、自分が楽しいと思えることやかかっこいいと思えることに純粋に取り組めている姿勢を見せる人だと思いました。たとえ社長という手段でなくても、5歳のときに憧れた夢を叶えられるのは自分しかいない!と思い、自分で自分の人生を作っていこうと決めました。その後休学し、好きなジーンズについてもっと知るために活動し、クラウドファンディングにも挑戦しました。
───ジーンズについて知りたいと思ったのはどうしてでしょうか?
湯浅:ジーンズってその人の生活体系通りに色落ちをしていくので、自分自身の価値観や存在意義を示してくれるものであると感じます。
元々ジーンズが好きで友達に勧めていたのですが、あるときぼくがいないところでも友達同士がジーンズについて楽しそうに話しているのを見たんです。そのときにぼくの価値観や考えがちゃんと人に伝わっていることに喜びを感じました。そんなぼくのいない場所でもぼくの価値観を広めていけるジーンズについてもっと知りたいと思うようになりました!
クラウドファンディングで多くの支援者を集められたことがまた自信へ
───クラウドファンディングをしてみてどのような面で変わったでしょうか?
湯浅:だれかの需要に答えることを優先させるのではなく、自分のアウトプットしたものでだれかが喜んでくれたらうれしいと自分本意で考えられるようになりました。だれかの需要に答えることは得意ではあったのですが、自分はこのままでいいのかということも同時に感じていました。休学をして広島県のジーンズ生産工場で働く中で、はじめは生産者たちが抱える問題というものが大きすぎて自分にはなにもできないとは思っていました。
でも自分にしかできないアプローチの仕方もあるのではと考え、地元の伝統工芸品である下駄をジーンズに似合う藍で染め、クラウドファンディングで200人以上の方にお届けしました。自分がチャレンジしたことで実情やジーンズの歴史や制作工程を教えてくれた生産者さんたちに感謝の気持ちを示せたかなと思います。
そして、自分の表現方法で楽しんでくれている方々や自分の価値観を知り、応援してくれている方々がたくさんいることにも気がつき、とてもうれしかったですし、自信にもつながりましたね。
モノづくりを通して伝えたい想い
───最近「LEGIT」第2弾プロジェクトとして羽織りをリリースされましたが、どんな思いが込められているのでしょうか?
湯浅:「着るではなく纏う」といった意味を込めています。制作過程を通して考える精神性を伝えることをひとつの目的に羽織りをつくっています。人が服を着るという行為を通して自分やモノに向き合う大切さを伝えたいです。そして、その服を着ていないときでも、そういう感覚を忘れないでほしいと思っています。
この羽織りは1年以上もかかる工程を経てつくっています。ほかの染料とちがい、石油由来の科学的なものが一切混じっていない天然の藍で、普通の染料だと1度で染まるものを5回に分け、人間の手で丁寧に染めています。
最初は薄い青になって、濃い青になってそこから藍色になってと変化していきます。このように染めていることから着ているうちにジーンズのように年月をかけて風合いや色合いが変化していくんです。染め重ねていくのを見ているとどんどん濃い色に変わっていく風合いや1年かけて育てた藍が何度も染めていくうちにもう染まらなくなるところに命の儚さや盛者必衰な人生を感じます。
「LEGIT」ではこのように、ニッチな考え方や価値観の本質的なところを深掘りし、一緒に共有でき、楽しめる仲間を全国的につくっていけたらうれしいです!
───今後やっていきたいことについて教えてください
湯浅:下駄のときと比べてより奥が深い羽織りをテーマに扱うにあたり、ただモノを売るだけでなくちがった手段でも触れてもらおうと考えています。
ぼくのつくったものを購入してくれた方にはオンラインコミュニティのような交流できる場をつくろうと思っています。生産者のお話しが聞けたり、羽織りをきてお茶を体験したりと、羽織りを通じて人と人とがつながっていけたらうれしいです。そして実はまだこの羽織りに名前をつけていないので、購入してくださった方々と一緒に考えていきたいと思っています!
これからも関わってくださった生産者のや購入してくださった方々など自分の周りへの感謝の気持ちを忘れず、みんなで一緒につくっていける「LEGIT」にしていきたいです。
インタビューを終えて
インタビューをしたMinaです。湯浅くんがモノづくりに込める思いというのは奥深く万人に理解されやすいものではないけれど、そのわかるようでわからないものをおもしろいと思ってもらえる仲間づくりをしたいと挑戦している湯浅くんをとても尊敬しました。そして実際に200人以上もの人から応援されている湯浅くんはもっとその輪を広げていくのだろうと思うと、今後がとっても楽しみです!
(取材・執筆:PRライター Mina Nagashima / 編集:有馬華香)
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